家屋評価額のつづき
家屋評価額の算出
前回は、家屋評価方法について紹介しましたが、ややこしくて、自分で計算するには難しい内容でした。(汗
家屋評価額計算式
評価額=1㎡あたりの再建築費評点数 × 経年補正率 × 床面積 × 評点1点価格
前回記事:固定資産税(家屋評価について)
正確な家屋評価額は算出できませんが、上記計算式をもとに我が家にあてはめた計算結果と新築住宅の軽減措置について今回は紹介します。
では、早速、我が家を例に家屋評価してみます。
1㎡あたりの再建築評点数:
算出が難しいので、仮に50000点だったとします。
経年補正率:
再建築評点数45000点~72000点の場合は、1年目は0.8になります。(参考資料:経年減点補正率基準表)
評点1点価格:
私が住んでいる地域から計算すると、
1円 × 物価水準補正率0.9 × 設計管理費補正率1.05=0.945
こういった内容で評価額計算式にあてはめると、
評価額=1㎡あたりの再建築費評点数 × 経年補正率 × 床面積 × 評点1点価格
評価額=50000 × 0.8 × 197.25 × 0.945
我が家の家屋評価額は、7,456,050円となります。
実際の建築費用は約1300万でしたので、妥当なところでしょうか。
この評価額に、標準税率1.4%を掛けると納税額となります。
7,456,050円 × 1.4% =104,384円
さらに、新築住宅の場合、条件を満たしていれば固定資産税の軽減措置を受けられます。
新築住宅軽減措置
一定の要件を満たす新築住宅は、固定資産税が一定期間減額になります。
次の要件を満たす家屋であることが必要です。
専用住宅(全部が居住部分)および居住部分が2分の1以上の併用住宅であること 。
専用住宅は、床面積が50m2以上280m2以下(1戸建て以外の貸家住宅は40m2以上280m2以下。)
併用住宅は、居住部分の床面積が、502以上280m2以下。
となっています。
軽減措置の内容
①.家屋の床面積が120m2以下の場合
固定資産税額が1/2に軽減されます。
②.床面積120m2を超え280m2以下の場合
固定資産税額が120m2分に相当する部分が1/2となります。
(120m2を超える部分は減額されません)
ただし、一般の新築住宅は新築後3年間だけ軽減されます。また、3階以上の準耐火住宅及び耐火住宅にあっては5年間、軽減されます。
では、この軽減措置もあてはめると、我が家は家屋の床面積が120m2以下なので1/2に軽減されます。
7,456,050円 × 1.4% × 1/2 =52,192円
で、3年間は固定資産納税額は52,192円で、4年目から通常の
104,384円となります。
この金額は、家屋だけの固定資産納税額ですので、これに土地の納税額、27,615円(「土地評価額について」で仮計算)をプラスすると、131,999円になります。(高っ!!)
参考資料:国税庁、財産の評価
家屋評価額まとめ
ここまで家屋評価額について紹介しましたが、何だかややこしくて、わかりにくい部分が多かったと思いますので、ちょっとまとめてみます。
家屋評価額は、現状の家屋を再度建築した場合にかかる費用(点数)を算出し、その費用(点数)にいろいろな補正を掛けて計算します。
いろいろな補正というのは、家屋劣化による価値の低下や、地域による物価の違いによる格差をなくし、公平にするという目的で補正されます。
つまり、固定資産税とは、
国が定めた家屋主要構造体に点数をつけ、その積算した点数に各種補正を乗じ、納税負担減という特例をつけた市税です。
ここでは、固定資産税はどのようにして算出されてるのか調べましたが、ここまで知る必要はないかもしれません。(汗
ややこしい計算をしなくても、おおまかな税額を知りたいのであれば、実際に建築にかかった費用の6割程度で、ややこしい計算結果と近い評価額になります。(苦笑)
評価額がわかれば、あとは1.4%を掛けて、軽減措置を掛ければ納税額がでてきます。
我が家の場合
1300万円 × 0.6 × 1.4% × 1/2 = 54,600円
ややこしい計算をした時と近い数字が出てきます。
今回、固定資産税について、いろいろ調べて頭から煙が出そうでしたが、これからの人生プランを考える上で役立つこともありました。
例えば、家屋と土地の評価額が3000万円だった場合の納税額は、
3000万円 × 0.6 × 1.4% = 252,000円
納税額252,000円を1ヶ月に換算すると21,000円/月になり、毎月の住宅ローンに加え、プラス21,000円という出費になります。
毎月、80,000円住宅ローンを支払っていた場合、納税額21,000円をプラスすると、、毎月101,000円支払う事になりますので、それなりの生活プランを考えておかなければ、支払いに圧迫されるという事にもなりかねません。
こういう風に前もって支出を計算しておくと、マイホーム購入前に「予算はいくらまで」とか、「頭金はいくら必要」など予測しておく事ができます。
「固定資産税のしくみ」覚えておいて損はないと思います。
次回は、
市役所の調査担当者が家屋評価に来た様子を紹介する予定です。